勝手に!コピーランキング

「コピーライターあるある」なのかもしれませんが、
夜中に“降りてきた”コピーは、翌朝見直すと、ほとんどの場合使いものになりません。
というか、結構恥ずかしい内容のものが多く、
「なんでこんなのがいいと思ったんだ、オレは?」と、自分のことが信じられなくなります。

いいコピーを書きたい。
なんなら世の中の価値観をひっくり返してしまうような、
とんでもない影響力を持つコピーを書いてみたい。
多くのコピーライターがそう思っていることでしょう。
では、どんなコピーがいいコピーなのか。
いいコピーを書くためには、何がいいコピーなのかを知らないといけません。
つまり、まずはコピーの判断基準を養わなければならないのです

たくさんのコピーを見て、なんとなくいいコピーがわかるようになると、
同時に無力感を味わうことになります。
まだまだ自分にはこんなコピーは書けない。
同じ日本語を扱っているのに、ここまで違うものなのかと思い知らされ、打ちのめされもします。
それが成長です。

そんなこんなで、有名&実力派コピーライターの方たちの珠玉の作品を、
いくつか紹介しようと思います。
ボクの独断と偏見で選んだ、ボクがただ単純に好きな、ボクがとにかくいい!と思うコピーたちです。

ホントはビジュアルや解説文(「時代性」ってのも影響しますし)があった方が、
その奥深さが伝わると思うのですが、それでもやっぱり、
着眼点、発想力、言葉の選び方、表現の仕方など、レベルが全然違うのです。

【第10位】 すこし愛して、 なが~く愛して

糸井重里 サントリー/サントリーレッド

【第9位】 恋は、 遠い日の花火 ではない。

小野田隆雄 サントリー/サントリーオールド

【第8位】 なにも足さない。 なにも引かない。

西村佳也 サントリー・サントリーピュアモルトウイスキー山崎

【第7位】 好きだから、 あげる。

仲畑貴志 丸井

【第6位】 触ってごらん、 ウールだよ。

西村佳也 国際羊毛事務局

【第5位】 モーレツから ビューティフルへ

吉川英昭 富士ゼロックス

【第4位】 男は黙って サッポロビール

秋山昌 サッポロビール

【第3位】 おしりだって、 洗ってほしい。

仲畑貴志 東陶機器/ウォシュレット

【第2位】 想像力と数百円

糸井重里 新潮社/新潮文庫

【第1位】 おいしい生活。

糸井重里 西武百貨店

やっぱり、どれもこれも素晴らしくいいコピーです。
でも「いいコピーだな」で終わらせちゃいけない。
どうやってそこにたどり着いたのか、を考える。想像する。

いいコピーを書くのも大事なんだけど、でもまずは、。
いいコピーを見極める力をつけなくちゃいけないんですよね。
なにがいいのか。なぜいいのか。
「あの人のコピーいいなぁ」「あんなコピーを書きたいなぁ」。
まずはそこがスタートラインになると思うのです。

ところで余談ですが、コピーライター業界って不思議な業界だと、つくづく感じるんですよね
(もしかしたら「広告業界」というくくりになるかもしれませんが)。
いろんなコピーライターがいろんなコピーライターの作品のことを、よーく知っているんです。
作品だけじゃなく、あの人はキャッチが得意とか。
あの人はボディがうまいとか、そういう作風にとどまらず、人柄なんかもよーくわかってるんです。

たとえば講義を受けに行ったりなんかすると、「ナカハタさんは……」「イトイさんは……」
「オカダさんさんは……」「イワサキさんは……」「コジマさんは……」「オカモトさんは……」
「タニヤマさんは……」と、全員が知り合いのように、いろんな名前が普通に出てきます。
(一緒に仕事したことがあってもなくても)。

コピーライターには、広告代理店所属の人もいれば、個人事務所の人もいれば、フリーランスの人もいます。
それでも、皆が「コピーライター」という枠の中でつながってるんですよね。やっぱり不思議です。